17-18関西シクロクロス#8 みなと堺グリーン広場

サカイのリザルトを振り返ってみる。

僕がC3のサカイで優勝したのは12-13シーズンの話なんだけど、実は苦手意識の強いコース。平坦ばかりのロード乗り有利と言われるコースだけど、実際にはタイトコーナーや高速コーナーが多くてパワーだけでは難しい。僕はロードでそこそこ乗れている(と思われている)ので「得意でしょ」と言われるけど、僕はロードでもパワーがあるタイプではない。苦笑

これらはサカイのC2を走った過去の戦績である。

13-14′ 44位(69%)

14-15′ 43位(69%)

15-16′ 24位(58%)

16-17′ 30位(75%)

C3で優勝を決めたコースながら、残留チケットに届いたのは僅かに1回のみだった。記憶の中では1回もないと勘違いしていた程。

「シクロクロスで速くなるにはどうするのがいいか?」

答え、「シクロクロスのレースにたくさん出る」

残念ながら僕のレース参戦数は少ないので毎年積める経験値は少ない。タイヤの種類を試したり、空気圧を変えて試していく作業がまったく追いつかない。

今回のサカイはそのタイヤの選択、空気圧の調整、そしてバイクコントロールがうまくはまったおかげで11位(23%)に入り、C2残留を決めることができた。

Before Race

SAUCE CXからは僕の他に、カネゴン、キリP、サンフジが出走した。他にも知り合いがせめぎ合うC2、そのアットホームな雰囲気は緊張感を与えない。(ちょっとは感じた方がいい)

僕にとっては今季2戦目のレースなので気持ちはフレッシュなんだけど、他のメンバーはシーズン後半戦なので疲れの表情も伺える。そりゃ毎週のようにレース出てたらしんどいよね。

毎週出てる人たちはシードがあるから前の方に並ぶ権利がある。C2においてはシードのために連戦する人は多い。まったく連戦のない僕は最後尾からのスタートを余儀なくされる。スターティンググリッドは非常に重要と言われているが、僕は関係ないとも思ってる。なぜならば、C1でもC2でも勝てる人間は後ろからでも勝つことができるから。C2なら最後尾から勝てるぐらいじゃないとC1に行ったところで、、、というお話。

今回はカネゴンの誘いで朝一から車で現地入りした。いつもは昼の試走に間に合うぐらいに自走で現地入りしていたけど、この日はコースチェックから朝の試走まで入念にした。ちなみに朝焼けの写真を撮ってインスタに投稿していたらカネゴンたちとの待ち合わせに少し遅れた。

この日は朝からそれほど寒さを感じさせず、雪も降ってない。気温は低いが風が無かったので比較的良い気候だった。

いつもなら眠さに負けて朝の試走をする気力もない時が多いんだけど、不思議と目は冴えていた。みんなで試走前に歩いてコースの確認。その後ジャージに着替えて朝の試走へ。朝は冷えていたおかげか地面の締まりがいいのかも知れない。バイクの進みも良いし、カーブも上手く曲がれる感じがした。これはワンチャンあるぞ、と思った。

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バイクセッティング

タイヤは前後MAXXISのスピードテレーン。空気圧はカネゴンポンプで3bar入れた。いつもレースは2bar以下で走る事が多いんだけど、この日のプランは違い「空気圧は高めで巡航を楽にして体力は温存、跳ねやコーナーリングは気合いでなんとかする。まぁ多少遅くても直線のスピードで挽回できるとする。」という感じ。ちなみにフロントは走りながら適当に落として推定2.5bar。

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ホイールはalpha340から新作のMAVIC 「OPENPRO UST」に。これに関して一言、すごく良い。重さはアルファから30、40g程度の微増の範囲で、何よりバイクを傾けた時のヨレが無い。おかげでコーナーでの安定感も良くなり曲がりやすい。チューブレスの保持も安定していてネガティブポイントがほとんどない。このリムは気に入った!

昼試走

昼にもしっかり試走をした。その時は朝ほど軽快感が無くて少し自信を無くした。更に朝試走の終盤に落車もメイクしていたのでコーナーでビビって身体が強張り余計に曲がれない(笑)

それでも最期の試走なので、ぬかるんで滑るセクションを中心にコースをチェックして空気圧で色々悩んだ。やっぱり空気圧を落とすべきか?と。

今回タイヤで気付いたのは、タイヤの泥の付着具合でグリップが変わるということ。当たり前といえば当たり前なんだけど、タイヤのサイドノブの泥の詰まり具合まで意識したことは無かった。

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ぬかるんだコーナーをクリアした後の芝生コーナーでもグリップが稼げない。泥を落とした状態で同じコーナーを曲がってみると曲がれる。これは、、と1人で楽しんだ。

出来上がったラインは芝が無くなり泥がタイヤに付く。あえてラインを外せば付かない。そして次のコーナーでの曲がりやすさがキープできる。普段ロードでそこまでシビアにタイヤの具合を気にしながら走ったことは無いが、オフロードではすごく重要な事に思えた。

その後はじまるC1の応援も程々に、自分も着替えてレースの準備を始めた。

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レース

スタートはゼッケン51番だったので最後尾スタートが確定している。最後尾でも空いたルートから可能な限り突っ込んでいくプランで考えた。スタートしてからすぐコーナー、イン側が詰まるのは目に見えていたのでアウトに陣取る。

が、前にいたヤングマンのラインどりに塞がれてしまってポジションを上げることは失敗した。残念。しかし最後尾からそう簡単にスタートが決まるものでもないから仕方ない。

即座にプランを変更する。

最初からガチ追い込みのプランは消えたから、序盤は無理をせず抜きながら体力は温存して後半に備えるプラン。

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レースの中で詰まるポイントは必ずあって(写真の時は詰まりすぎw)、パックのペースに合わせると余計な減速を余儀なくされて、さらに再加速で足も使う。そうならないようにポイントを軽く予測しながら踏まなくてよい場所は早めにアクセルオフ、コーナーの進入は少しゆっくりめだが漕ぎつつコーナーの脱出スピードを早めるイメージ。

1周を終えて数名を抜いていたけどまだ後方。しかし周回はあと6周を示した。短いようだけど、「これをあと6周か、体力もつかな」と不安も少し感じた。そう、年末も年始も練習らしい練習はしていないのだ。あるのは残留チケット取るぞという気持ちのみ。

2周目からは集団は散り散りになり細かいパックや単独の選手にバラけ始める。1人抜いてはまた1人。ただしまだ序盤、細かい勝負で無理しない。

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途中、GIROを取り扱っているダイアテックの帖地氏とパックになる。新作ヘルメットのVANQUISHがかっこいい。今季は昇格に向けて頑張っているらしく速さがある。抜いてみるか抜き返される。とりあえず無理して抜くと僕もダメージを食らってしまうのでしばらく後ろからプッシュし続けた。約1周近いパックの後に疲労が来たようで道が譲られる。お先に失礼します!

そこからはあまり詳しく覚えていない。(笑)

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とにかく1人ずつ確実に抜いて行く。その途中、「抜ける!」というような掛け声をもらった先にはパンクしてバイクを押して走るキリPの姿。SAUCE CXチーム内バトル1人目を捉えた。

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恐らくサンフジも体力は持たないだろうと思ってたけど予想通り順位が下がっていて背中が見えてきた。そこからは割とあっという間に追いついてパス。全然踏めてないやないか!(笑)

これで残るチームメイトはカネゴンのみ、でも追いつくのは厳しいかなと思っていた。レース中盤は垂れ始める選手が目立つ。単独になっている人たちはあまり苦労せず抜けたような気がする。

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5周目くらいかな?なんとカネゴンの率いるパックに追いついた。順位50%を越えてくると後半でもペースが落ちない。徐々に呼吸も乱れ足も重くなっていくのを感じながら砂場セクションでついにカネゴンパックに追いついた。

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タクリーノの選手の後ろ側、カネゴンが砂で詰まってパックが止まる。パックで走っている時の砂場は誰かがつまづくことが高確率で起こるので待ってましたと言わんばかりの展開。

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砂場に入る瞬間からランに切り替えて空いたルートを駆け抜けていく。乗車の場合、ラインを自由に切り替えるのが難しい。

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パックを一気にかわす。カネゴンを捉える。抜き際はちょっとカネゴンに当て気味で抜いていく。完全にラインを塞ぐ動きは逆に無駄が増えるので、ぼちぼち邪魔な感じで。普段、他の人相手ならそこまでやらないが、カネゴンが相手なら100%の勝負を楽しめる。

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抜いたパック。1コーナーで順位が大きく変わるのでシクロクロスという競技は休まるところがない。抜いたからといって気を抜いていたらすぐに抜き返される。前を走る時はそのプレッシャーが恐ろしい。

カネゴンは追い抜いた段階でかなり参っていた様子でペースも上がらない感じ。アディオス、と思いながらそのまま僕はペースを維持して前を目指した。

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カネゴンパックを抜くと順位は15位にまで届いていたようでコース脇で応援してくれているゲンさんから「25%行ける!」と声援が飛ぶ。レース前に計算した感じでは12位ぐらいだったかなぁと思いながら、この位置になってくると1人抜くのが一苦労だ。

6周目もペースを落とさず走り何人か抜いたような気がする。シケインを越える時に足がつり始めて足首の動きがおかしいことに気付く。砂場のランもかなりキツい。

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最終周は12番手ぐらいで入ったような気がする。この位置で走りきればワンチャン25%、1発残留。とにかく後ろから迫り来る選手が怖い。最終周はみんなペースが僅かに上がる。

迫り来る恐怖と戦いながらミスせず走り進めるが攣った足でシケインを上手く越えられず引っかかって転んだ。そこで後続にかなり詰められてしまった。焦った漕ぎ出すが砂場あたりで何人かに抜かれてしまった。まぁ、66%取れてりゃいいか…。と頭をよぎった。

しかし、3つ目の最期の砂場を終えたところでまだ前の選手が届く範囲にいる。そして皆キツそうだ。最後は気持ちだけで踏んだ。直線、コーナー、直線、最終コーナー、直線でゴール。

砂場後の直線で2人か3人抜き返した。コーナーを曲がる。差されないように直線で踏む。最終コーナーも転ばず曲がれたけど2人後ろにいた。

スプリントが始まり、1人は諦めたがもう1名が刺してきた。でも負けたくない。ゴールラインを割る時に気持ち程度のハンドル投げ。サガンばりのハンドル投げをする余裕はなかった。

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負けたか勝ったかわからない勝負だったけど、ギリギリ耐えたようでゴールは11位のリザルトだった。順位は23%を示していた!C2残留だ!(一応スプリントで差されても25%だったのでギリギリセーフ?)

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まさか堺で1発で決まる日が来るとは思っていなかった。ちょっと浮かれちゃう程に嬉しかったけど、ゴール直後はこのコースで過去最高に酸欠で死にかけた。砂場からの最期の追い込みからのスプリントは流石にキツい。でも頑張った甲斐があったので清々しい。

翌日

通勤で自転車に乗って走るんだけど腕が筋肉痛でキツい。というか上半身全体がかなり。

シクロクロス、というかオフロード系やBMXなどロード以外のバイクコントロールを見ていると「上半身が肝」だと感じていた。

ロードレースは重力に縛られた競技だとすれば、シクロクロスはいかに無重力に近付けるかが大事なような気がしてそれが今季の1つのターゲット。サドルに座り過ぎないというか、とにかく細かい体重移動がバイクコントロールを高めてくれるのではないかと思う。

上半身、特に腕や握力が弱いのでシクロクロスのレースの後半に力が入らなくなることがしばしばあった。そう思って今季は上半身を鍛えるトレーニングをちょこちょこ始めた。まだまだ弱いけど、40分通してバイクコントロールが安定していたところは少し成長できたかも知れない。

年末年始はお酒を飲みまくって自転車のトレーニングのトの字も無かった。それでも上半身の筋トレはちょこちょこやっていたから、そのおかげだろうか。

ひとまず、成長を感じれたことと、残留できたことが嬉しい堺ステージだった。

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※たくさん写真を撮って頂いてありがとうございました。すべて使うことは難しかったですが、なるべく使おうと思ってブログを書き進めたらとても長くなりました(笑) また他のレースもよろしくお願いします(^-^)