FUJI SL-1

久しぶりにフルカーボンのロードバイクをオーダーした。FUJIの軽量フレーム「SL-1」、今年はチーム右京が使用していて全日本ロードエリートでは横塚選手が3位入賞、U23では武山選手がSL-1で優勝した。

「同じフレームを乗ってる人が活躍してるとなんだか嬉しい!」とまだ乗り始めて間もないけどそんなことを思ったりした。ロードバイクに乗り始めた頃、映像や写真で見る選手たちになったつもりでペダルを踏んでいたよなと思ったり。幼稚かもしれないけど、まずは”フリ”をしてみるのも悪くないかもしれない。

カラーは”Rainbow Chrome Silver”、ロゴは”Neutral gray”でオーダー。グラデーションと最後まで悩んだが、落ち着いた雰囲気もありながらRemix感もあるカラーということでこれに決めた。

まだ認知している人、実際にオーダーしている人は少ない印象があるのだが、FUJIには「Remix」というカラーカスタマイズができるフレームがある。今回頼んだSL1もその1つ。今の時点ではこのSL1、Transonic、そして隠れメニュー的にSL3がある。正直なところ価格的にも内面的にもSL3で充分な気がしたけれど、ひとまずFUJIの最高峰を味わうべくSL1を選んだ。

同じ形をしたSL1とSL3がどう違うのかと説明させてもらうとカーボンのグレードが異なっている。SL1ではC15カーボンというFUJIにおいて最も軽量かつ硬さのあるウルトラハイモジュラスカーボンを使っているらしい。次点ではTransonicのC10カーボン、カーボンだけで比較すればトランソニックよりSL1の方が硬いフレームっぽい。実際にSL1は僕の予想を遥かにうわ回る硬さがあって、雑な立ち漕ぎでもフレームがブレずにしっかり進むので驚いている。

SL3はというとC5カーボンというグレードになるので、普通の人にはこっちの方が疲れにくいフレームと言えるかもしれない。ちなみに完成車のSL2.5ではC10カーボンが使われている。今日本で買えるSLフレームだけでも3種類の硬さが存在していることになる。

リムブレーキという選択

今乗っているエクタープロトンの2台目に乗り始めてから早いもので丸約4年。よく乗った。今のタイミングでオーダーするのであればディスクブレーキにしたがる人は多いだろうし、実際お客さんにもそっちを勧める。油圧ディスクはめっちゃ良い。

ただ、自転車は趣味の要素も大きい。「GIANTを買えば正解に近い気がするけど、別に正解の自転車が欲しいわけじゃない」という感じのツイートを見て自分の中で強く頷いた。

そこで反省しなければいけないなと思ったことがあって、仕事ではついついお客さんが失敗をしないように安全牌な選択肢を勧めがちなこと。それはそれで間違いではないにせよ、趣味としての楽しみを阻害だけはしないようにしなければいけない。しかし、中身の区別もあまりなく、デザインや価格のみで選んでしまうことはハイリスク。使用用途や選択の思想さえ明確であれば「あえてのリムブレーキ」という選択も悪くはない。

僕が中学生の時にシャカリキを初めて読んだ時から、レースを頑張った日々、そして今まで長く付き合ってきたのがリムブレーキのロードバイク。その親しみと、今後リムブレーキのバイクは減っていくであろうことからこのバイクを選んだ。過去から歴史の続いているパーツ類、現時点でメーカーのフラグシップモデルであるフレーム。懐古厨ではなく、今買える中で自分の好きなものと理想を組み合わせたバイクを組むことができた。

過去

実業団レースを走り始めてから3年目の時に「FUJI CYCLINGTIME.COM」というチームに所属し、初めてFUJIとの繋がりができた。僕はJPTではなかったけど、折角なのでSST1.0に乗ることにした。当時ネジ切りBBかBB30のいずれかしかなかった時代にBB86を持ってきた意欲的なモデルだった。数年後に西薗選手もチャンピオンシステムのチームで同じくSSTに乗っていた。「とりあえずしっかりした硬さがあるのでいいですね。フレームのウィップだとか味付けよりも、モガいた時に逃げないフレームがいいですね」というようなコメントをしていた記憶がある(曖昧なので違ってたらすみません)。当時から値段以上のクオリティの高さがあり、さらに「富士」という日本にも所縁のあるブランドはとても近づきやすいものだった。

KUALIS Anatomy

具体的には「意外な動きをしないフレーム」をイメージしてお願いしました。きちんと設計されたレースバイクというものは、なにか特筆することがあるのではなく、選手の意図通りに動くこと。そして進みが良いという二つのことを極めるだけだと思っています。

西園さんもKUALISのカスタムメイドのフレームに乗っていて、上のコメントがその時のもの。確かに選手目線ではそうだよなぁと強く同意。SL1は完全なレース向けバイクなので、しなりを活かしたハンドメイドバイクのような高揚感を感じさせる走行感は薄いものの、上のコメントのような”癖がなくしっかり進む”という点では超高水準だと感じている。

タイヤ

久しぶりにチューブラータイプを選んでみた。今でこそチューブレスを中心に運用しているものの、長い時代チューブラーがレースにおけるスタンダードだった。その中でVELOFLEXは定番ブランドであり、レースシーンを少し注意深く見てみると他社ロゴがプリントされたVELOFLEX製であろうチューブラータイヤをよく見たような記憶がある。そしてこの”Carbon”も旧時代を象徴するようなタイヤではあるものの、未だ現役で販売され続けているロングセラー。この時代に10年以上変わらず売られているってのは相当いいもんっていう証明だと思う。

ちなみに軽さはそこまで軽いというわけではない万能モデル。センターは直線的なトレッドというのもあって摩耗しにくく転がりが良い。ラテックスチューブは転がりの良さにも寄与しているし、しなやかで乗り心地が良い。チューブラーの基本位置としてこのタイヤはおすすめしたいところ。

脱線するとSOYOのシームレスロードCR(定価25,000円税別/1本)が今までで一番感動したチューブラータイヤ。値段もビックリするけれど、走りの軽さと吸い付くグリップ感は感動的だった。体重のあるライダーには柔らかすぎるようで好みの良し悪しはあるものの、お金が無限にあるならば使い続けたいタイヤ。

その他

ネジの一本までこだわって隅々まで好きなようにアッセンブルして組めることは自転車屋で働いてきた特権かもしれない。ホイールも手組みで自分の好みに組んで乗ることなんて10年前には全く考えてもいなかったのに、今ではそこまで自分の手で調整することができる。ホイールの硬さの良し悪しは色々あるけれど、フレームの硬さとのマッチングや体重による影響など、要因が多すぎてこれだという最適解は特にないように思う。その辺はまた別で書きたい。希望。

軽さを重視するならおパワーメーター付きのデュラエースクランクで良かったと思うが、今回は最近発売された片側計測のROTOR INPOWERを導入した。チェーンリングボルトを使用しないダイレクトマウントのチェーンリングになっていて、楕円、真円、シングル、4アームアダプター、5アームアダプターなど汎用性に優れている。

バッテリーは充電式ではなく単3電池というのも新しい。8mmの六角レンチさえあればコンビニで電池の調達が容易にできるのがありがたい。

現行のシマノクランクは薄い板を張り合わせたタイプのクランク/チェーンリングになっている。軽量であるものの、SNSでしばしば破損した例を見かける。ちなみに9000クランクを5年以上使ったがトラブルは全くゼロだったので、傷さえ入れなければそこまで気にしなくてもいいとは思う。

対してROTORクランクの重厚感は安心感が強い。新型のDMチェーンリングもアウターインナー一体型の削り出しチェーンリング。SRAM RED AXSも同様の一体削り出しだった。どちらもスゲー労力だなと思う。ちなみに気になるROTORチェーンリングの変速性能だが、今のところ特に不満なく動いている。

BBも悩んだ。第1候補は当然CHRISKING。しかし、使ったことのないものを使わずにはいられないのは自転車屋、自転車好きとしての性分。ということで今回はKOGELのPF30を選んだ。アメリカで生産されている、これもまた自転車好きが過ぎる印象のある比較的新しいBBメーカー。

ROADタイプとCROSSタイプの2種類を選ぶことができるのだが、その違いはシールドベアリングのシールの違いで、ロードタイプは非接触シール、クロスタイプはオフロードでも安心できる接触シールのベアリングになっている。

通常はロードタイプが人気だと思うが、これもまた探究心(好奇心?)故にクロスタイプを選択。耐久性がどれだけのものなのか、そしてクロスタイプの回転性能はどんなものなのかという2点を自ら探るべくしばらく使ってみることにした。ちなみに早速使っての第1印象はかなり滑らかに回転している。組み付け時はそれなりかなと思ったが、乗ったときのヌルヌル感は想像を超えていた。恐らくフレームの硬さと相まって良い感触になっていると感じる。

Selle Italiaの新型SLR BOOST。穴空いてない方。最近人気のショートノーズになったSLRで、これが割と自分が思っていた以上にヒット。気に入った!

合わせているのはEASTONのEC70シートポスト(ゼロオフセット)で、これも新型になっているもの。前後位置の調整と角度調整がそれぞれ独立していて、角度や高さなどを弄らずにそのまま前後位置だけを調整することができる。逆もまた然り。新型のヤグラどうかな?と思っていたけどこれもまたオススメしたいシートポストになった。MOVEMENTYouTubeでも紹介しているのでよかったらチェックしてみてください。

そんな感じで久しぶりの軽量ロードバイクが完成。
久し振りに上り坂のタイムを意識して頑張ってみようかな、そんな気持ち。

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